日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

「南蛮人」という言葉を当の南蛮人はどう理解していたか?

ふと気になったので、『邦訳日葡辞書』(原物は1603年刊行、邦訳版は1980年、岩波書店)で調べてみた。

  

Nanban.ナンバン(南蛮)  (447頁)

南の地方 *1

例:Nanbangocu(南蛮国):南方の国 *2

 

 

*1 ボードレイ文庫本には「南の地方の野蛮人」との書き込みがある

*2 印刷された原文に「南方の野蛮人の国」との書き込みがある

 

 

 

刊行本には「Ban」の意味として「番」、「晩」、「盤」は載せられているが、「蛮」はない(48頁)。

この辞書のみで日本語を学習した場合、「ナンバンジン」という音から「野蛮人」を連想することはおそらくない。しかし、書き込みに見られるようにどのようなニュアンスを含む言葉なのかヨーロッパで知られていたようだ。