日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

天正15年11月15日鍋島直茂宛豊臣秀吉朱印状

去月十二日之書状、一書*1之旨被聞召候、殊綱一懸*2、志之程悦思召候、 一、肥後国〻諸侍一揆共、陸奥守*3仕様悪由申候て、企謀叛之族、無是非次第候、就其其方事、行*4等無由断之段、尤苦労共候事、 一、七郎左衛門尉*5ニ被遣候城・知行へ、在陣之留主をね…

天正15年11月5日黒田孝高・毛利吉成宛豊臣秀吉朱印状

去月十六日書状并毛利右馬頭*1書中、何も具聞召候、 一、岩石*2儀、右馬頭人数差越可押詰*3段、尤思召候事、 一、城井面*4儀是又輝元*5人数差遣、成敗可申付旨候、一揆原根之無之事候間*6、手間入間敷と思召候、乍去此式之儀ニ自然卒尓*7之動*8無用候、押詰…

天正15年10月27日某宛豊臣秀吉朱印状

今回はかなりの長文であるが、秀吉が九州で直面していた諸勢力による「反乱」を俯瞰できるものなので全文掲げておきたい。充所を欠いている理由として①裁断されているなど物理的・外的原因による、②朱印を押捺したが充所を記さずにそのまま発せられることが…