一、人足*1飯米事、惣別*2雖為御掟*3、尚以給人*4其念を入可下行*5事、
一、遠国より御供仕輩*6ハ、軍役それ/\に御ゆるしなされ候間、来十月にハかはり*7の儀、可被仰付候間、上下共ニ可成其意事、
(書き下し文)
ひとつ、人足飯米のこと、惣別御掟たるといえども、なおもって給人その念を入れ下行すべきこと、
ひとつ、遠国より御供仕る輩は、軍役それぞれに御ゆるしなされ候あいだ、来たる十月には替わりの儀、仰せ付けらるべく候あいだ、上下ともに其意をなすべきこと、
(大意)
ひとつ、人足役をつとめる者たちに与える飯米について、総じて秀吉さまの命があるからと油断することなく、家臣たちに念を入れさせ、滞りなく与えなさい。
ひとつ、遠国より供の者を連れてきた者の軍役は免除するので、来月十月出替わりを命じられるはずなので、上下の者とも承知しておきなさい。
下線部の「遠国」が指す具体的な地域はわからない。ただ「御供」を連れてくれば軍役を免除する、ということは身代わりを差し出せば逃れられるということではないだろうか。「人掃」も不完全で、IDなどという概念もない。つまり、頭数をそろえればよい、と解釈することもできる。
もっと踏み込めば「どこかからか供を連れてくれば免除する」という意味かもしれない。