日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

文明12年2月11日日野富子宛後土御門天皇自筆書状をちょっと読んでみる

まもなく*1閉幕する「日本の中世文書」展のうち、数行だけ読めたと錯覚した女房奉書を、図録『日本の中世文書』267頁の釈文を頼りにちょっと読んでみた。

 

なおこうした散らし書きは過去のものでない。偶然見た通信高校講座の書道でも扱っていた*2

 

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     出典:国立歴史民俗博物館『日本の中世文書』5-2号文書、132頁、2018年

 

展示についてはこちらを参照されたい。

企画展示|展示のご案内|国立歴史民俗博物館

 

末柄豊氏の『戦国時代の天皇』(山川出版社、2018年)の表紙にもなっている。氏のサイトである「書状史料論の試み」では女房奉書の読み方が解説されている*3

 

①から⑳の順に読む。

 

ふくわう院*4より別して

②からす丸*5に山国*6御代

③くわん*7

④の事につきて

⑤はん*8をなされ候

⑥よし*9

⑦御れう所*10

⑧たゐ

⑨くわん*11

⑩おほせ*12

⑪つけ*13

⑫られ候に

⑬つきて

⑭判を

⑮なされ

⑯候とて

⑰我ものゝ

⑱やうに

⑲心え候へき

⑳事

 

下線部①にあるように、烏丸資任を山国荘の代官に義政が命じたが、もともと禁裏御料所であったことからトラブルになったことが読み取れる。

 

しかしブログ主は地図が読めないので、ここで力尽きてしまった。

 

原本をご覧になることをお勧めする。

*1:2018年12月7日現在

*2:NHK高校講座 | 書道�T | 第16回 仮名の書 散らし書きに挑戦 〜仮名の表現〜

*3:http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/personal/suegara/shojo_kaken 

*4:普広院=足利義政

*5:烏丸資任

*6:丹波国桑田郡山城国愛宕郡山国庄

*7:御代官

*8:

*9:

*10:御料所、ここでは室町幕府の「御料所」ではなく「禁裏御料所」を意味する

*11:代官

*12:仰せ

*13:付け