どうも読み方を誤ったようだ。時代劇の見過ぎがいかによくない影響を及ぼすのか今回ほど身に染みたことはない。前回のブログ中で「其方」を「そのほう」と読んでしまったが、「そち」あるいは「そなた」と読むべきかも知れない。
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1603年刊行『日葡辞書』に”sonofo”が「あなた」の意味であると見えるが、残念ながら相手との関係についての記述はない。
いずれにしろ、対等または下位の者への呼称である。近世の借用証文では貸主を「貴様」と呼ぶ例があるように、本来は敬意を示す言葉が時代が異なると罵倒する時に使われるという現象は珍しくない。