古文書という副題に興味をそそられ、ここで読んでみることにした。番組のナレーションは聴いていないので、詳しいことはそちらに任せるとして翻刻だけ試みたい。
FIG.1
於江戸表御軍用
御備被成下度
御紋付羽二重此原
御幕令献上、御時節柄
御用ニ相立、彼是源切
奇特成事ニ被
(次へ続く)
FIG.2
思召候、依之為御賞
其身一生中御小性組ニ
被成下之旨、被
仰出候事、
(書き下し文)
江戸表においてご軍用お備え成し下されたく御紋付・羽二重・此原御幕献上せしめ、御時節柄御用にあいたち、かれこれ源切奇特なることに思し召され候、これにより御賞として、その身一生中御小性組に成し下さるの旨、仰せ出され候こと、
*此原:人名らしいが不明。此原幕という商品名か。
*源切:仏教語大辞典に「げんせつ」=懸説として「遥か先をあらかじめ見越して説くこと」とある。つづく奇特とセットで「将来を見通す、神仏のようにすぐれたさま」という意味と思われる。
画像1の2行目で改行している。平出になっていることから、主人が着るであろう「御紋付」への敬意を示しているものと思われる。同様に画像1最終行から画像2の第1行にかけて「思し召され」、画像2の終わり2行に「仰せ出され候」と平出が見られる。