日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

続天正6年9月23日伊藤吉次宛羽柴秀吉自筆切手

原文の写真が掲載されている『豊大閤真蹟集』から引用しておく。なお同書では「かゝ」を加賀=「かが」という者に渡すよう命じたと解説し、この「かが」を秀吉の奥向に仕える婦人であろうとする(同書「解説」30頁)。「かゝ」が「嬶」を意味するのか、同書のように女性の名前を意味するのかは今後の課題としたい。なお本文書は播磨三木城に籠もる別所長治攻めの際発給されたようだ。

 

天正6年9月23日伊藤吉次宛米切手

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『豊太閤真蹟集』上 59号文書 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2586887 より引用

(注意)

正確には「豊大閤真蹟集」で、秀吉文書集も同様に記している。ただし国会図書館では「豊太閤」でないと検索できない。こうした場面に遭遇することは珍しくなく、データーベース化されたからといって重複や漏れなしに検索できるかどうかは入力後の点検具合による。十二分に活用しうるかは入力後のメンテナンス次第ということだ。