日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

年未詳8月23日某宛明智秀満書状を読む????

また新史料が発見された。

 

(補註 2018/06/05)

 

 

由良川では鮭が遡上する時期は新暦の10月下旬から11月上旬らしい。

 

丹後の海の生き物 サケ

 

旧暦の8月は新暦の8月下旬から10月上旬にあたる。ただ小氷期にあたれば、もう少し早めに遡上することもあるのかも知れない。そうすると解釈も微妙に変わる可能性は大いにある。

 

 

 

光秀の重臣・秀満の書状公開 京都・鮎ずしの礼記す : 京都新聞

f:id:x4090x:20180602204718j:plain

 

http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20180602000067/2

 

 

両丹日日新聞 : 明智秀満の書状を初公開 福知山城100万人突破展

 

(折紙) 

   尚々返事報
鮨到来祝著候、
ありし水とうの事
明候へ候由申遣候間
とくろ可為候者少し
無油断鮭取ニ而迄
かへ候由可被存候、恐々謹言、
      弥平次
 八月二十三日 秀満(花押)
 (宛所欠)

 

(書き下し文)


鮨到来祝著に候、有路水道のこと開けそうらえ候よし申し遣わし候あいだ、とぐろたるべく候はば、少しも油断なく鮭とりにてまで換え候よし存らるべく候、恐々謹言、

 

 なおなお返事報

 

(大意)

鮨をお届け下さりまことにありがとうございます。有路村の水門のことですが開けるように伝えましたので網を上げるようにしてください。注意して鮭とりの季節まで網を上げて置いて下さいますようお含み置きください。謹んで申し上げました。

 ご返事まで

 

由良川、有路村

f:id:x4090x:20180602210244j:plain

      『日本歴史地名大系・京都府』付録より作成

 

*とくろ:とぐろ「蜷局」「塒」網などを渦巻き状に巻くこと