日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

年未詳1月7日毛利輝元宛徳川家康書状を読む

 

 

www.hokkaido-np.co.jp

 

 

www.sankei.com

 

f:id:x4090x:20180407160004j:plain

 

(折紙)

珎敷両種送

給祝着之至候

猶榊原式部太輔

可申候条令右(省カ)略候

恐々謹言

 正月七日 家康(花押)

  安芸中納言殿

(書き下し文)

珍しき両種送りたまい、祝着のいたりに候、なお榊原式部太輔申すべく候条、省略せしめ候、恐々謹言、

*珎:「珍」の異体字

*榊原式部太輔:榊原康政

*安芸中納言毛利輝元

(大意)

素晴らしいものを二種類お贈り下さり、喜びの極みに存じます。なお詳しくは榊原康政が申しますので、略式のお礼のみにて失礼します。謹んで申し上げました。

 

 

2018年4月13日追記

「両種」についてご教示いただきました。詳細はこちら

 

 2018年4月16日追々記

読み誤りのご指摘がありましたので、訂正しました。

 誤「右」

 正「省」

 

https://twitter.com/kojima_sakura/status/985812192074252288

 

2018年4月17日追々々記

さらにご指摘いただきました

 

 

参考までに史料編纂所の電子くずし字字典の「省」と「右」を掲げておきます

 

「省」 

f:id:x4090x:20180417120042p:plain

 

「右」

f:id:x4090x:20180417120136p:plain

http://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/shipscontroller