日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

慶長5年7月25日水野和泉守忠重家臣3名宛徳川家康感状を読む

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(折紙)

 

和泉殿*1不慮之
仕合ニ而被相果*2
不及是非候然者
六左衛門*3指越候
和泉殿ニ不相替
馳走肝要候謹言
七月廿五日*4 家康(花押)
  上田清兵衛*5とのへ
  鈴木次兵衛*6とのへ
  同 久兵衛*7とのへ

 

 

(書き下し文)

和泉殿不慮の仕合わせにてあい果てられ、是非に及ばず候、しからば六左衛門指し越し候、和泉殿にあい替わらず
馳走肝要に候、謹言、

 

(大意)

忠重殿がこの度不慮の死を遂げられ、実に残念なことです。そこで勝成をそちらに遣わしますので、忠重殿とかわることなく忠節を尽くすことが大切です。謹んで申し上げました。

 

 

 

*1:水野忠重

*2:7月19日加賀野井弥八郎秀望に殺害された

*3:水野勝成

*4:慶長五年

*5:水野忠重家臣

*6:水野忠重家臣

*7:水野忠重家臣