日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

古代文書を読んでみる???????

 

 

謹んで解し申す月借銭を請うのこと

合わせて三百文 利月別三十九文

右くだんの銭、二箇月のうちを限り、本利ともそなえ、まさに進上すべし、・・・謹んで解す

 

 

謹んで月借銭をご手配くださいますようお願い申し上げます。

合計三百文 利子はひと月に三十九文

この借金、二箇月の期限中に元金利子耳をそろえて必ずお返し致します。・・・謹んで上申致しました。

 

解:律令制下で下部組織から上部組織へ上申する文書のこと。有名な例が「尾張国郡司百姓等解文」。その反対が「符」、上下関係にない場合は「移」または「牒」。

 

利率:月に39/300=13/100=13%。ただし単利か複利か不明。

単利と仮定すると

年利 13%*12ヶ月=156%

1年後は300文が

 元本+利息=300文+(300*156%)

             =300+468

             =768文

 

 1年で2.56倍になる。

将:再読文字「まさに~すべし」=「必ず~する」

  cf.須:「すべからく~すべし」=「当然~すべきである」