日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

2018-02-18から1日間の記事一覧

戦国期へ旅立つさいの心得その2 読みやすい文字、読みにくい文字と美しい文字、美しくない文字とは?

ブログ主は書道のたしなみがまったくないので、文字の美醜を判断することは出来ない。したがって「達筆」という語彙を持たない。しかし、読みやすい文字とそうでない文字は歴然としてある。ただし、読みやすい、読みにくいの基準もひとそれぞれだ。 また習熟…

戦後高度経済成長期に使われていた広告に見る変体仮名

変体仮名は戦後戸籍での使用が禁じられた。しかし日常的には以下のようによく使われていた。1950年代の週刊誌はこうだったらしい。 また女性の名前でもまだまだ健在だ。 婦じゑ儀=ふじゑさん スタンダードな仮名文字 女偏をやや上にしたバリエーションなの…

アシガールの料紙は白い和紙が使われたのに、なぜ西郷どんは経年劣化した料紙を使うのだろう???

アシガールの文書(もんじょ)は、書かれた当時は白色、のちに見つかった永禄3年の書状は経年劣化した茶色と数百年の時間差を表現するのに重要な役割を果たしている。 手配書のみならず、陣触や書状が書かれた当時の状態そのままを示すのに対し、正名僕蔵の…

年未詳9月14日 東寺年預宛松永久秀奉行人喜多重政・瓦林秀重連署状(折紙)を読む

松永久秀被官については以下の論文がある。 repo.nara-u.ac.jp 知行地が空間的にどのように分布していたかを明らかにし、いわゆる「戦国大名勢力図」がいかに単純化されたものかを確認させてくれる。ああいった色分けがされるほど事情は単純でない。あくまで…

<三訂版>アシガール最終回 唯の手習い

手習いに苦労する唯。当時はドラマでも触れていたが15歳から60歳まで徴兵された。当然成人扱い、なのに文字も満足に書けないのかと思われそう・・・。 未来から来たことを知っている若君さまが、後世を憂うことのないよう、精進していただきたい。 まだ秀吉…

アシガール第10回「その結婚ちょっと待った!」 永禄3年月日未詳松丸義秀宛高山宗鶴書状を読む

子細有之候付(闕字)*姫君様當城ニ 而御預申居候御息災ニ候間 可御心安候 扨是ヲ機縁にて 愚息宗熊と姫君いっそ縁組 仕度存候得共御存念如何候 哉両家千秋萬歳と相成候 者ゝ慶賀至極と愚考仕候何 卒御思案被下度候委細追而 可申上候 恐惶謹言 (月日未記載…