日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

「創られた伝統」としての「親日国トルコ」言説

トルコといえば二言目には親日国であり、エルトゥールル号に言及されるのが21世紀の定番である。

 

しかしこの言説の起源は案外新しく、1980年代以前にはほとんど語られることはなかったと思う。

 

1980年代半ばまで「トルコ」という言葉を聞いた日本人が最初に連想したのは、小アジア半島に位置する国の名前ではなく、まったく別のものであったはずだ。それは古い映画やドラマを見ればすぐに確認できる。いかついおにいさんが若い女性に「じゃあ、トルコで働いてもらうかな」といった場合、イスタンブールアンカラで働く国際人として活躍して欲しい、という意味ではもちろんない。

 

このあたりの事情は「1984トルコ人留学生」で検索すれば確認できる。

 

なお「創られた伝統」についてはこちらから無料で1冊まるごとダウンロードできるのでぜひどうぞ。

http://psi424.cankaya.edu.tr/uploads/files/Hobsbawm_and_Ranger_eds_The_Invention_of_Tradition.pdf

 

http://staff.washington.edu/ellingsn/Hobsbawm_Inventing_Traditiions.pdf

 

また西洋史研究者の近藤和彦氏による簡潔なまとめはこちら。

Invention of Tradition  (日本語)