日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの古文書オタ、いえ歴史学徒として史料を読んでいきます

内務省地方局有志編纂『田園都市』のはじめを数行読む 「ブラタモリ#96 田園調布」

 

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ブラタモリ #96 田園都市 とびら


この書籍は以下からダウンロードできる。

国立国会図書館デジタルコレクション - 田園都市

 

はじめの数行だけ読んでみる。というのも踊り字の「二の字点」が用いられているからだ。踊り字の画像はこちら。

http://www.sanseido.biz/DispRes.aspx?fi=d82f1904-583a-423f-8318-74cad01cc734

 

近頃欧米の諸国にあっては、都市改良の問題、農村興進の問題などの年をおうて、ますます(原文では「益」と「二の字点」)そのしげきを加うるものあり、都市と農村につき、おのおの(原文では「各」と「二の字点」)その長をとりて、その短をおぎない、さらに加うるに最新の施設をもってして自然の美と人口の精を調和し、健全醇美の楽郷を造らんとして、ことにその意を用いざるなし。いわゆる田園都市」「花園農村」といい、もしくは「新都市」「新農村」というは、すなわちこれが理想を代表するものたり。その名はあいことなれりといえども、これが最終の帰趣とするところや、実に同胞のたがいに一致戮力して、ひとしく誠実勤労の美徳を積み、協同推譲の美風をなして、隣保相互の福利を進め、市邑全般の繁殖を著しくして、広く人を済(すく)い、世を益せんとするにあり。これ田園都市花園農村の首倡者がつとに世に声(以下略)

 

 

*帰趣:ものごとの終わり。もともとは仏教用語

*戮力:「りくりょく」協力して。「戮」という字は「殺戮」のように「ころす」の意味のほかに「たがいに」「あわせて」の意味がある。

*推譲:「すいじょう」他人を推薦して、自分は譲ること。

*市邑:「しゆう」都会。「邑」の読みは「みやこ、まち、むら、ユウ」。

*首倡:首唱とも書く。最初の提唱者。

*つとに:「夙に」本来は「むかしから」の意だが、最近「とくに」のような単なる強調の意味合いで使う人も目立つので注意したい。