日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

天文12年9月24日石雲寺宛北条長綱朱印状を読む

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http://www.city.isehara.kanagawa.jp/docs/2018102900096/file_contents/181101-4-5.pdf

(折紙)

任虎印判*1

*2役諸役其

外横合*3令停止

并竹木以下違

乱於申懸者急度

可申越者也仍

如件

 天文十二(朱印)

   九月廿四日

 石雲寺*4

 

(書き下し文)

虎の印判の旨に任せ伝役・諸役、そのほか横合い停止せしめ、ならびに竹木以下違乱申し懸けるにおいては、きっと申し越すべきものなり、よってくだんのごとし、

 

(大意)

 先に出した虎の印判状の趣旨にしたがい、伝馬役・諸役を免除し、正当な理由のない課役は禁止させる。また寺内の竹木を伐採するなど干渉する者がいたならば、必ず注進しなさい。以上の通りである。

 

 

小田原北条氏相模国四郡

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                            『国史大辞典』より作成

*1:小田原北条氏宗家の発する朱印状

*2:馬脱カ

*3:謂われのないこと

*4:山号は雨降山、相模国中郡、なお北条氏は大住郡、愛甲郡、余綾郡を中郡としていた