日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

オーストリアでの「Führer」経験

 

以下の記事を読んで、むかしきわめて危険な言葉を連呼した経験を思い出した。

 

gendai.ismedia.jp

 

ザルツブルクのある博物館で、読めるわけでもないのに写真集が欲しくてガイドブックを求めるため、入り口の壮健な50代くらいと思しき男性に、その表紙に書かれている単語をそのまま告げた。

  

 

 

Führer,bitte!

(「フューラー」下さい!)

 

そのガイドブックは入り口にではなく展示室に並べられていたため、指などで指し示すことができず、上記の言葉を数回連呼した。

「おかしなことをいうヤツだなぁ」という表情をしたので、強引に展示室に連れて行き、指で示した。

 

男性はそれを見て納得するなり、笑顔でこういう意味のことをいった(と思う)。

 

 

 

フューラー、フューラーいうから

ヒトラーのことかと思ったよ!

 

 

ドイツ語の「Führer」には指導者などのほかに「ガイド」「ガイドブック」という意味もある。

 

さきほどの戸惑いの表情は、「あぶない東洋人が来た」という意味なのだと、そのときようやく理解した。

 

 

ちなみに、彼の有名な山荘ベルヒテスガーデンへの観光ツアーはドイツ国内からではなく、ザルツブルクからとなる。初夏でも山荘のまわりは雪が積もっているので靴の準備は万全にされたい。