日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

西郷どん(12)「運の強き姫君」島津久光宛大久保正助書状を読む

 

御赦免・・・・
御上意有之・・・
仕候間、重ゝの・・・
次右衛門儀御赦免拝・・・
事愚母愚妹らも等之
事を取り笑ひ、感涙抑へ
かたく喜ひ入候、此度之大恩
父子共ゝ生涯不忘候、尚以て
一層之御奉公忠勤ニ相勤
候事御誓申上候、
恐々謹言
      大久保正助
・・・周防様
   まいる(?)

 

(書き下し文)

御赦免・・・・
御上意これあり・・・
つかまつり候あいだ、重ゝの・・・
次右衛門儀御赦免拝・・・
こと愚母・愚妹らもなどのことを取り笑い、感涙抑えがたく喜びいり候、このたびの大恩、父子ともども生涯忘れず候、なおもって一層の御奉公忠勤にあいつとめ候ことお誓い申し上げ候、
恐々謹言

 

 

これまでの西郷どんでは「踊り字」に「々」を使用していた。これではさすがに筆の運びがスムースでないし、実際の文書中で見たこともないので疑問に感じていた。ところが今回からひらがなの踊り字である「ゝ」に変更した。