堀尾吉晴の書状が発見されたそうだ。
1.むかと在之者ゝ手前ニ
2.ヲいて相改め
3.御諚候条堅申付候、
4.万端御分別前御座候
5.様可得御意候、恐惶
6.謹言
堀尾帯刀
七月廿六日 (花押)
(宛所見えず)
(書き下し文)
むかとこれある者は手前においてあい改め、御諚に候の条かたく申し付け候、万端御分別前に御座候よう、御意をうべく候、恐惶謹言、
(大意)
無理難題を主張する者には、こちらにおいてよく調べ、(秀吉様の)ご指示をきびしく申し聞かせます。あらゆる手段を尽くして分別の作業に入るよう、(秀吉様の)お眼鏡にかなうようにして下さい。
*.むかと:島根県石見地方に「むかっと=乱暴、無理、無茶」という方言があるという。堀尾吉晴の頃には近江地方でも「無理を言う者」という意味があったのだろうか?
*御諚:貴人の命令。仰せ。おことば
*分別:「ぶんべつ」、種類によって分けること。種類によって、区別したり区分したりすること。また、それらの区別や区分。
*堀尾帯刀:堀尾吉晴
*帯刀:「たちはき」平安・鎌倉時代、帯剣して東宮(皇太子)の護衛にあたった武官
残念ながらこの部分だけでは「何かを区別するように」という秀吉の指示があったとしかわからない。