日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

新発見 (天正14年カ)7月26日堀尾吉晴書状を読んでみる???

堀尾吉晴の書状が発見されたそうだ。

www.sankei.com

 

天正14年カ726堀尾吉晴書状

 

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1.むかと在之者ゝ手前ニ

2.ヲいて相改め

3.御諚候条堅申付候、

4.万端御分別前御座候

5.様可得御意候、恐惶

6.謹言

        堀尾帯刀

   七月廿六日    (花押)

(宛所見えず)

 

 

(書き下し文)

むかとこれある者は手前においてあい改め、御諚に候の条かたく申し付け候、万端御分別前に御座候よう、御意をうべく候、恐惶謹言、

 

(大意)

無理難題を主張する者には、こちらにおいてよく調べ、(秀吉様の)ご指示をきびしく申し聞かせます。あらゆる手段を尽くして分別の作業に入るよう、(秀吉様の)お眼鏡にかなうようにして下さい。

 

 

 

*.むかと:島根県石見地方に「むかっと=乱暴、無理、無茶」という方言があるという。堀尾吉晴の頃には近江地方でも「無理を言う者」という意味があったのだろうか?

 

*御諚:貴人の命令。仰せ。おことば

 

*分別:「ぶんべつ」、種類によって分けること。種類によって、区別したり区分したりすること。また、それらの区別や区分。

 

*堀尾帯刀:堀尾吉晴

 

*帯刀:「たちはき」平安・鎌倉時代、帯剣して東宮(皇太子)の護衛にあたった武官

 

 

残念ながらこの部分だけでは「何かを区別するように」という秀吉の指示があったとしかわからない。