6月に以下の記事が掲載された。
これを全文翻刻してみよう。三行半はその名の通り、三行と半分で書かれるので、それも忠実に再現する。ただし変体仮名については、気分次第で通常の仮名に直したり、もとの漢字のままとした。
離縁状之事
其元義、我等妻ニ有之処、不縁ニ付
此度 離別いたし候上は、何方江嫁候共
聊差構無御座候、為後日一札相渡
申処、仍而如件、
市川三平
行光*(花押)
八代郡上岩崎村
勝右衛門殿妹
およねとの
*ここの「行光」は写真を見た限り、異筆と思われる
(書き下し)
離縁状のこと
そこもと義(儀)、われら妻にこれあるところ、不縁に付き、この度離別いたし候上は、何方え嫁ぎ候とも、いささかも差し構い御座なく候、後日のため一札相渡し申すところ、よってくだんのごとし、
差し構い:干渉すること
ちなみに、最近TVなどでさかんに「そこのくだりは~」という言い回しが使われるが、漢字では「そこの行は~」と書くので、三行半とセットで覚えておきたい。