日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

2017-12-03から1日間の記事一覧

アシガール第9話に登場する古文書の話 その3 「阿湖」姫によせて

件の古文書だが、気になる点はまだある。「阿湖」姫の部分だ。女性の名前はことさら難しい。たとえば秀吉の正室は「おね」なのか「ねね」なのかいまだ定まらない。高台院と呼べばよいというわけでもない。権力トップの正室さえ呼称がわからないのだから、戦…

自然のことにて候 「おんな城主 直虎」第48回

「自然」は古文書頻出用語であるが、近世前期と中後期では意味はまったく異なる。中後期では「当然~なる」という意味合いだが、戦国期から近世前期は「万一」という意味で使われる。 したがって「自然のことにて候」とは「万一のことでございます」というこ…