日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

年未詳11月10日川辺掃部介宛明智秀満書状をちょっと読む???

shirobito.jp

上記の記事に紹介されている明智秀満書状を読めるところだけ読んでみた。

(軸装のため形態未詳)

態申越候坂本
広間のふすましやうし
同引手并くきかくし
何も不可申くたき由
申越候間??早〻遣
(継目)
計諸事無油
断可申付候少も
疎略ニ候段有間
敷候恐〻謹言
十一月十日秀満(花押)
  川辺掃部介殿

 

(書き下し文)

わざわざ申し越し候、坂本広間の襖・障子、同引手ならびに釘隠し、いずれも砕き申すべからざるよし申し越し候あいだ、早々遣し
(継目)
ばかり諸事油断なく、申し付くべく候、少しも疎略に候だんあるまじく候、恐〻謹言、

 

(大意)

手紙をもって申し上げます。坂本城広間の襖・障子・引手そして釘隠し、どれも打ち破られぬようにとお申し出がありましたので、早速に遣いを・・・万事油断なきよう職人や陣夫役の者どもへ命じます。少したりとも粗末ならように注意します。謹んで申し上げました。