日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

参勤交代と「一所懸命」

「一所懸命」とは文字通り「一所」=土地を守るために、命を懸けることを意味する。

 

主君から土地を与えられることを「御恩」といい、それに対して主君の命にしたがうことを「奉公」という。この双務的関係を西洋史にならって「封建制」という。これは郡県制の対義語としての「封建制」と似ているので厄介である。

 

 

しかのみならず、「古臭い」「家父長的な」「時代錯誤の」現象を「封建的」と呼んでいた時期もあった。いまなら「昭和的」と形容するだろうか。

 

 

さて、御恩と奉公で想起するのは「いざ鎌倉」だろう。主君の一大事に鎌倉に馳せ参じるわけであるが、近世でこれに相当するのが参勤交代である。参勤交代は「奉公」なのだ。