日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

古文書調査は楽しいな ((o(´∀`)o))ワクワク

mainichi.jp

古文書調査はまだ誰も見たことのない文書を見ることができる唯一の機会である。もちろん、目録を作成してあらゆる人が利用できるようにすることが調査の目的であり、つまみ食い的に「活用」するためではない。また所蔵者へ敬意を払うことも忘れてはならない。プライバシーへの配慮も必要とされる。

 

それでも思わず「これは・・・」というものに出くわすことがある。

たとえばこれであろう。

 

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傍線部分には「和宮様御下向御迎御用」とある。江戸へ下向する際の記録である。つづいてこう記す。

 

御留主居

戸川信濃守様 忠右衛門

 

これは 「留守(原文では「留主」)居役 戸川信濃守」の世話を「忠右衛門」が担ったという意味であろう。

一言で「公武合体」と呼ばれる事象も、様々な側面を持つことがこの文書から分かる。こうした史実の積み重ねで歴史はより豊かに描きうるわけである。