日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

天正14年羽柴秀長、検地施行時「不正」をはたらいた大和国庄屋衆37人に牢舎を命じる

 

一、去年検知*1ニ礼*2ヲ仕タル曲事トテ、国中庄屋衆卅七人籠者*3了ト、

                  天正15年8月2日『多聞院日記』

 

(書き下し文)

ひとつ、去年検地に礼をつかまつりたる曲事とて、国中庄屋衆卅七人籠舎しおわんぬ、と、

(大意)

ひとつ、昨年の検地において、検地役人にお目こぼしをして貰うためにまいないを渡した曲事だとして、大和国中の庄屋衆37名が入牢を命じられた、という話だ。

 

伝聞ではあるものの、検地の際に礼銭・礼物などを受け渡しする行為が現実味を帯びていたことがわかる。

 

起請文を提出させるのも頷ける状況だった。

*1:検地

*2:礼銭・礼物

*3:籠舎