一、去年検知*1ニ礼*2ヲ仕タル曲事トテ、国中庄屋衆卅七人籠者*3了ト、
天正15年8月2日『多聞院日記』
(書き下し文)
ひとつ、去年検地に礼をつかまつりたる曲事とて、国中庄屋衆卅七人籠舎しおわんぬ、と、
(大意)
ひとつ、昨年の検地において、検地役人にお目こぼしをして貰うためにまいないを渡した曲事だとして、大和国中の庄屋衆37名が入牢を命じられた、という話だ。
伝聞ではあるものの、検地の際に礼銭・礼物などを受け渡しする行為が現実味を帯びていたことがわかる。
起請文を提出させるのも頷ける状況だった。