https://www.yomiuri.co.jp/photograph/news/article.html?id=20180803-OYT1I50017
右一部明智十兵衛尉高嶋田中
籠城之時口伝也 本ノ奥書如此
此一部より沼田勘解由左衛門尉殿大事
相伝於江州坂本写*1之
永禄九 拾 廿日 貞能(花押)
ニキリクタシ 留度時
一、ハヅ 一、イワウ 水ニテ手ヲヒヤシ
一、カンキャウ 一、カンセウ カンセウヲセン
ジテ手ヲアラ
ウ也
(書き下し文)
右一部、明智十兵衛尉、高嶋田中籠城の時口伝なり、
本の奥書かくのごとし、
この一部より、沼田勘解由左衛門尉殿大事に相伝し、江州坂本においてこれを写す、
永禄九 拾 廿日 貞能(花押)
ニギリ下しとめたき時
一、ハヅ 一、硫黄
一、カンキャウ 一、甘草
水にて手を冷やし、甘草を煎じて手を洗うなり、
記事では「沼田勘解由左衛門」とあるが「沼田勘解由左衛門尉」のあやまりである。「門」のなかに丸らしきものが見えるのが「尉」である。
いずれも「左衛門尉」 東京大学史料編纂所データベースより引用
2018年8月8日加筆
こちらのブログで、医学、薬学についてご教示いただきましたので、ご参照いただければさいわいです。
「カンキョウ」は現在の漢方でも使われている乾姜/干姜
「ハヅ」は、天正九年の「外療新明集」P41に「スイハ」という物の別称として「ハヅ」
とのことです。「クタシ」を腹下しのように読んだのは誤りのようで、皮膚病や寄生虫の治療法のようです。
2018年8月11日加筆
沼田勘解由左衛門尉は「永禄六年諸役人附」に「詰衆番衆」の「二番」とある。
*1:数文字削除の跡あり