またずいぶんふざけた記事を書いたものだ。
要点をいくつか挙げておこう。
1.「逆説」の魅力は、歴史を別の角度から見ることによって「通説」とは異なる事実をあぶり出す(ところにある)
2.歴史研究の多くが、現代人の価値観によって進められている
3.肯定的な記録が残っていない
まず第一点。別の角度、視点から史料を読み直すのが歴史学といういとなみであり、「通説」をたんに継承することはそもそも歴史学ではない、別の何かである。歴史学とは何かを知らずに難詰するのは筋違いである。
また史料を根拠とせずあぶり出されるところの「事実」とはなんだろうか。意味がわからない。
第二点。現代的な価値観で解釈してはいけないことはイロハに属することである。そもそも歴史学が歴史を対象とするのは、それぞれの時代固有の社会構造や文化などをあきらかにするためであり、そうでなければ時代区分や時期区分はできず、たんに過去の出来事を羅列したに過ぎないことになる。過去の出来事と歴史的事実を区別できないものを歴史とは呼ばない。
第三点。史料が残されているかどうかは偶然によるし、未発掘のものもまだまだ多いので、決めつけることはできない。また史料批判について触れられていないため、意味するところが明らかでない。
本文中で「批判」しているつもりの対象は歴史学研究でなく、「歴史研究」としているので、歴史学として反論する必要はないのかも知れないが。