日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

NHKスペシャル 「大江戸」 第1回「江戸始図」に見える「羽柴」と町人地

 

大坂の陣直前頃の作成といわれる「江戸始図」を眺めているとおもしろい発見がある。

 

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まず目につくのは本丸から南の方角に「羽柴」を名乗る大名の屋敷が軒を連ねていることだ。諱は黒田基樹『羽柴を名乗った人々』(2016年)の巻末一覧表から該当するものをあてた。

 

次に目立つのが町人地である。縮尺通りに描かれているわけではないので注意が必要だが、川岸に集中していることは確かだろう。後年、堀の外へ追い出されるのだろうか、興味は尽きない。割愛した部分には「アキ」「ヤブ」などの表記も見られ、都市の成長過程も読み取れそうだ。