日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

米売買の計算 「塵劫記」より

西郷隆盛は郡方の役人だった。したがってそろばんとにらめっこする毎日を過ごしていたことであろう。

 

近世初期の寛永年間に刊行された「塵劫記」から例題をひとつ採り上げてみる。

 

http://mahoroba.lib.nara-wu.ac.jp/y05/html/380/s/p020.html

 

 

 

塵劫記 第十 米うりかひの事

△米八百拾石ある時銀拾匁ニ付米四斗三升二合銀のさうばにして右之米の銀何ほと言時

  拾八貫七百五拾目と言也

 

(書き下し文)

△米八百十石ある時、銀十匁につき米四斗三升二合、銀の相場にして右の米の銀なにほど言うとき、

  十八貫七百五拾目と言うなり

 

 

*匁と目は銀の単位で「もんめ」と読む。

 

 漢数字で計算することは無理なので、アラビア数字に直すと

 

810石/0.432石*10匁=18,750匁=18貫750匁