日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの古文書オタ、いえ歴史学徒として史料を読んでいきます

某鑑定番組に出品された天正19年閏1月11日小出吉政宛豊臣秀吉朱印状を読む

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形式は折紙。

 

和泉国所々本知

六千石為加増同国

南郡内四千石同

日野根郡内弐千石

都合壱万二千石

事令扶助之畢

全可領知候、但此内

弐千石無役壱万石

軍役可相務者也、

天正十九

 後正月十一日(秀吉朱印)

     小出信濃守とのへ

 

*所々:踊り字は原文中にあるとおり「二の字点」が本来    

      誤       

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http://sazaleishi.blog.fc2.com/blog-entry-15.html

 

*後:「のち」1月の次「閏1月」

 

*小出信濃守:小出吉政(1565-1613)

 

(書き下し文)

和泉国所々本知六千石、加増として同国南郡のうち四千石、同日野根郡のうち二千石、都合一万二千石のことこれを扶助せしめおわんぬ、まったく領知すべく候、ただしこのうち二千石は無役、一万石は軍役あい務むべきものなり、

 

(大意)

和泉国の所々に散在する本貫地六千石に加えて、加増として南郡のうちから四千石を、日野根郡のうちから二千石、合計一万二千石を知行地として与えた。一円支配にあたることとする。ただしこのうち二千石分の軍役は免除、一万石分のみ軍役つとめなさい。

 

 

この朱印状=知行宛行状には土地=御恩、それに対応する奉公=軍役の双務的関係が明文化されている。そのうえで、若干の控除を認めている。これこそ主従関係の基本である。

 

所領関係図は以下の通り。

 

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