今年は戊戌(つちのえいぬ)年である。戊辰(つちのえたつ/ぼしん)年から150年目だという。年は十干と十二支の組み合わせからなるので、10と12の最小公倍数が60であることから、61年目にもとの干支(かんし/えと)に還る。
したがって数え年で61歳になると「還暦」、「暦が還る」わけである。暦、カレンダーは60進法を基本とする。
1901年から2000年までを20世紀と呼ぶのに対し、日本史上の出来事をこの干支で呼ぶ例は少なくない。
西暦が日本に輸入されるまでは、60進法だった。
干は「木(き)、火(ひ)、土(つち)、金(か)、水(みず)」のそれぞれに「兄」=「え」と「弟」=「と」があるので、
「甲」は「き」の「え」=「きのえ」
「乙」は「き」の「と」=「きのと」
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「癸」=「みず」の「と」=「みずのと」
の10通り。
支は「子丑寅・・・」の12通り。
「甲」+「子」=「きのえ」+「ね」=「きのえね」=甲子
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「癸」+「亥」=「みずのと」+「い」=「みずのとい」=「癸亥」
癸亥年が明けるとふたたび甲子年
この基本を頭に入れれば、西暦に置き換えずにスムースに何年前の出来事かわかる、というわけだ。
西暦輸入以前、この方法でむかしの出来事がいつのことか一目でわかるように工夫されていたのだ。
実際史料上では「去る寅年」などと書かれており、「慶応四年」を「戊辰」(つちのえたつ/ボシン)とも呼んでいた。これにより突然の改元にも対応できたわけである。