日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの古文書オタ、いえ歴史学徒として史料を読んでいきます

三行半(みくだりはん)を読む

6月に以下の記事が掲載された。

 

digital.asahi.com

 

これを全文翻刻してみよう。三行半はその名の通り、三行と半分で書かれるので、それも忠実に再現する。ただし変体仮名については、気分次第で通常の仮名に直したり、もとの漢字のままとした。

 

    離縁状之事

其元義、我等妻ニ有之処、不縁ニ付

此度 離別いたし候上は、何方江嫁候共

聊差構無御座候、為後日一札相渡

申処、仍而如件、

 

  安政五午年五月   市川上野村

              市川三平

                 行光*(花押)

    八代郡上岩崎村

       勝右衛門殿妹

         およねとの

 

*ここの「行光」は写真を見た限り、異筆と思われる

 

 

(書き下し)

 

    離縁状のこと

そこもと義(儀)、われら妻にこれあるところ、不縁に付き、この度離別いたし候上は、何方え嫁ぎ候とも、いささかも差し構い御座なく候、後日のため一札相渡し申すところ、よってくだんのごとし、

 

差し構い:干渉すること

 

 

ちなみに、最近TVなどでさかんに「そこのくだりは~」という言い回しが使われるが、漢字では「そこの行は~」と書くので、三行半とセットで覚えておきたい。