日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

2018-02-12から1日間の記事一覧

史料と史実、観察者の関係図

(すべての事実)=(史料に書かれた事実)+(史料に書かれていない事実) ただし (史料に書かれた事実)≪(史料に書かれていない事実)≈(無限) これまで起きた出来事をE1,E2,E3・・・Eiとすれば (歴史上の事実)=E1+E2+E3+・・・・+Ei i≈∞ (歴史的事…

歴史番組の恐ろしい史料解釈

あるテレビ番組を見ていたところ、信じられない解釈が披露された。 曰わく 当時、人の名前を書くのを憚って伏せ字にする習慣があった 伏せ字にする習慣などない。名前ではなく、官途名、受領名、屋敷の所在地、単に「御屋形様/御館様」などと書いていたこと…

「史料に書かれているものだけが歴史ではない」について考えてみた???

上記のような文句をときどき見るが、「史学概論」を学んでいるのだろうかと不思議に思う。史学概論と銘打たれた書籍はいくらでもあるだろうに。 これまでのありとあらゆる出来事を「歴史上の事実」とするのに対し、なんらかの「歴史的意義」を見出したものを…

永禄10年11月制札 三好義継、松永久秀・久通父子発給禁制を読む

多聞院日記永禄10年11月27日の条に、三好義継、松永久秀・久通父子発給の2通の禁制が見える。 制札之写 禁制一、 春日社山内諸屋乱妨強盗事、一、 於山内甲乙人剥取事、付自寺内至社領并野田高畠出入違乱事、一、 神鹿致害山木材(伐)用事、右条々令停止訖…