日本中近世史史料講読で可をとろう

ただし、当ブログは高等教育課程における日本史史料講読の単位修得を保証するものではありません

日本中近世史料を中心に濫読・少読・粗読し、各史料にはできるだけ古文書学に倣い表題をつけ
史料講読で「可」を目指す初学者レベルの歴史学徒として史料を読んでいきます

慶長3年6月2日筑前国早良郡脇山三郎左衛門・庄屋百姓中宛謀書状写を読む

尚以御朱印高札ニ書載村々立置儀候て可聞此旨候以上 急度申遣候仍両筑*1之内今まて中納言殿*2御蔵納*3御給地*4之分太閤様御蔵入*5ニ被仰出付て石田治部少輔殿為御代官*6被成下着之由候然者田畠毛付不残可申付候若又給人衆未進方さひそく被仰共不可出候此上竹…

慶長3年6月22日筑前国志摩郡在々宛石田三成掟書写を読む

条々一、来秋執納之事、田不苅以前ニ代官見及、其田々ニより見そん*1ニ可仕事、一、めんあひ*2百姓と代官ねんちかい*3の田畠有之者、何も苅分*4ニいたし三分壱作徳遣、三分弐可運上事、一、納様之事者、年貢持て来其百姓不寄上手下手*5あげて*6はかり、壱石…

慶長4年1月15日筑前国志摩郡宛小早川秀秋定書を読む

定 筑前国志摩郡一、去年越前へ国替之刻、侍中間人足*1以下対主人給人不相届族雖有之無其改其科令宥免之事、一、諸給人未進借銭執沙汰一切有間敷事、一、当作毛之儀其所之奉行之者令相談急与可致開作濃(ママ)料*2之儀者可借遣之事、一、山林竹木雖先代官不…

慶長3年5月22日大音新介宛石田三成判物を読む

(切紙)*1 (端裏封ウハ書) 「大新介*2参 治少*3」 以江州しょむかた*4の事大事ニ候、以上 態申遣候、仍我等内々ハちくこ*5・ちくせん*6被下、九州物主*7ニ被遣候ハんとの事ニ候つれ共、さ候へハ、又さわ山*8にをかせられ候ハん人もなく、こゝもとニて御用…

天正14年羽柴秀長、検地施行時「不正」をはたらいた大和国庄屋衆37人に牢舎を命じる

一、去年検知*1ニ礼*2ヲ仕タル曲事トテ、国中庄屋衆卅七人籠者*3了ト、 天正15年8月2日『多聞院日記』 (書き下し文) ひとつ、去年検地に礼をつかまつりたる曲事とて、国中庄屋衆卅七人籠舎しおわんぬ、と、 (大意) ひとつ、昨年の検地において、検地役人…

年未詳8月23日今井清右衛門尉宛石田三成判物を読む

免相*1之事ハ、嶋左近*2・山田上野・日岡帯刀両三人ニ申付候、右之三人之儀勿論誓詞*3之上可為順路*4候間、任其旨可相納候、三人方へも右之趣申付候也、 八月廿三日*5 三成(花押) 今井清右衛門尉殿 長浜城歴史博物館『石田三成と湖北』55頁 (書き下し文)…

慶長2年4月20日上八木村百姓中宛石田三成黒印状(田方麦年貢掟)を読む

(三成朱印)当なつより、しよこくむぎ年貢、田方三分壱納可申旨、御意*1ニ付而、可納やう、又おさむまじき田畠之免之事、 一、田にむぎまき*2申分ハ、其田/\の麦毛のうへにてミおよび、三分壱きう人*3ニ納をき、すなはち其地下にくら*4に入、あつけおき*5…

文禄5年3月1日石田三成十三ヶ条村掟を読む その13/止

一、めんの儀にいたつてハ、秋はしめ田からざるまへに、田がしらにて見およひ、めんの儀あひさだむへし、もし百性と代官と、ねんちがいの田あらば、其村の上中下三だん*1に升づき*2をせしめ、免の儀さたむへし、なをねんちかいあらは、いねをかり、三つにつ…

文禄5年3月1日石田三成十三ヶ条村掟を読む その12

一、ねんぐ*1おさめやう*2の事、壱石ニ弐升のくち米*3たる也、百性めん/\*4にあげに*5はかり*6、ふたへたわら*7にして、五里のぶんは百性もちいたす*8べし、五里の外ハ百姓のひま*9に、はんまい*10遣候て、もちいたさせ可申候、此外むつかしき事あるましき…

文禄5年3月1日石田三成十三ヶ条村掟を読む その11

一、何事によらす、百性めいわく*1仕儀あらば、そうしや*2なしに、めやす*3をもつて、にわそせう*4可仕候、如此申とて、すちなき*5事申あげ*6候ハゝ、きうめい*7のうへ、けつく*8其身くせ事たるへく候間、下にてよくせんさく*9申て可申上候事、 (書き下し文…

永禄9年10月20日米田貞能奥書を読む???

this.kiji.is https://www.yomiuri.co.jp/photograph/news/article.html?id=20180803-OYT1I50017 右一部明智十兵衛尉高嶋田中 籠城之時口伝也 本ノ奥書如此 此一部より沼田勘解由左衛門尉殿大事 相伝於江州坂本写*1之 永禄九 拾 廿日 貞能(花押) ニキリク…

文禄5年3月1日石田三成十三ヶ条村掟を読む その10

一、もし此村、給人づきに成候*1ハゝ、さいぜん*2より給人の村へつかハしをき*3候法度書*4をもちい*5、これハほんご*6たるへき事、 (書き下し文) ひとつ、もしこの村、給人付きになりそうらわば、最前より給人の村へ遣わし置き候法度書を用い、これは反故…

文禄5年3月1日石田三成十三ヶ条村掟を読む その9

一、ぬか*1わら*2以下ニいたるまて、我等用所*3候て、代官より取儀あらば、少なりともさん*4無用ニ不相立候ハゝ、めやす*5にて可申上候事、 (書き下し文) ひとつ、糠・藁以下に至るまで、われら用所候て、代官より取る儀あらば、少なりとも算無用にあい立…

文禄5年3月1日石田三成十三ヶ条村掟を読む その8

一、何たる儀によらす、よ*1の村の百性はしり*2、当村へまいり*3候をかゝへ*4候ハゝ、そのやとぬし*5の事ハ申ニおよバず、地下中くせ事*6ニせしむへき間、かねてそのむね*7を存、よの村の百性かゝへ申まじき事、 (書き下し文) ひとつ、何たる儀によらず、…

文禄5年3月1日石田三成十三ヶ条村掟を読む その7

一、小田原御ぢん*1の年より以後*2、ざい/\*3の百性地下を出、ほうこう人*4・町人・しよく人*5に成申やから候ハゝ、あり*6所をきゝ*7、すなわち代官ニ申候て、我等へ可申上候、御はつと*8の事候間、とり返し可申候、但、家中ニ候ハ、くるしからす*9候、よ*…

文禄5年3月1日石田三成十三ヶ条村掟を読む その6

一、来秋より、只今遣す我等判*1の升にて取やり*2仕、ふる升もちゆへからす、先年けんち衆いだされ候升ニふときほそき*3ある間、とりあつめ、そのなかにて中をとり、ため*4あわせ*5つかハし*6候事、 (書き下し文) ひとつ、来秋より、ただいま遣わす、われ…

文禄5年3月1日石田三成十三ヶ条村掟を読む その5

一、出作にあき*1候とて、申たき*2まゝ*3に申なし、田地をあげ*4候事くせ事*5たる也、又当村の田地をよ*6の村よりあげ候とも、是又あげさせ申ましき事、 (書き下し文) ひとつ、出作に空き候とて、申したきままに申し為し、田地を上げ候こと曲事たるなり、…

文禄5年3月1日石田三成十三ヶ条村掟を読む その4

当記事以降は、翻刻の誤植などは煩雑になるため、断らずに改めた。 一、蔵納*1田地、きう人がたの百性作り候ハゝ、壱石に壱升の夫米いたすへし、又給人かたの田地、蔵納の百性つくり候ハゝ、夫米壱石ニ弐升あて*2いたす*3へし、しぜん*4此村へ入作多候て、夫…

文禄5年3月1日石田三成十三ヶ条村掟を読む その3

一、田はた*1さくしき*2の儀ハ、此さき御けん地*3の時けんち帳*4にかきのり*5候者のさばき*6に*7つかまつり、人にとられ候事も、又むかし我かさくしきとて、人のをとり申事もちやうじ*8の事、 (書き下し文) ひとつ、田畠作職の儀は、此前御検地の時、検地…

文禄5年3月1日石田三成十三ヶ条村掟を読む その2

一、地下ありきにいたツて*1、代官下代*2やとい申事あらバ、そのさい所*3里どなり*4なと*5へは*6、やとハれ可申候、それも作*7にさしあひ*8いらさる儀ニめしつかい*9候ハヽ、いたし*10申ましき事、 (書き下し文) ひとつ、地下歩きに至って、代官・下代雇い…

文禄5年3月1日石田三成十三ヶ条村掟を読む その1

坂田郡*1之内しやうほだい*2院村掟条々*3 一、千石につめ夫一人とあひさたむるなり、このほかつかふ事あらば、此ゐんはん*4ニて、いくたり*5いたし*6候へと、申つかわすへく候、然者奉行人を申付おくへき間、十二月廿日ニ当村の年中のいんばんの書物あつめあ…

文禄5年3月1日石田三成九ヶ条村掟を読む その9/止

一、作しきの儀にいたつてハ、此さき*1御けん地*2の時、けんち帳*3に書のり申ものゝさばきニ仕、人にとられ候事も、又むかし我かさくしきと候て、人之をとり申事もちやうし*4せしむる也、付給人に見せすかり取田ハ、免*5つかハし申ましき事、 右、九ヶ条如件…

寛永14年11月28日水野勝成宛土井利勝・酒井忠勝・阿部忠秋連署老中奉書を読む

(折紙)*1 以上 一筆令啓候 公方樣*2一段御機嫌 能被成御座候間可御 心易候然者*3今度 嶋原天草きりしたん 蜂起之儀*4今程者 相済可申候後跡 以下為御仕置*5 上使*6松平伊豆守*7并 戸田左門*8被差遣之候 万一人なと入候者各へ 可被申入候間其儀 -----------…

文禄5年3月1日石田三成九ヶ条村掟を読む その8

一、当村之百姓之内、さんぬる*1小田原御陣*2の後、ほうこう人・町人・しよく人に成よそへまいり候ハヽ、返し候へと御法度*3ニ候間、きゝたて*4きう人に可申候、たとひよのさとへまいり田を作り候共、もとのむらへめし返し可申候、又よそのむらの百姓罷越*5…

慶長5年7月25日水野和泉守忠重家臣3名宛徳川家康感状を読む

(折紙) 和泉殿*1不慮之仕合ニ而被相果*2不及是非候然者六左衛門*3指越候和泉殿ニ不相替馳走肝要候謹言七月廿五日*4 家康(花押) 上田清兵衛*5とのへ 鈴木次兵衛*6とのへ 同 久兵衛*7とのへ (書き下し文) 和泉殿不慮の仕合わせにてあい果てられ、是非に…

文禄5年3月1日石田三成九ヶ条村掟を読む その7

一、此村もし我等蔵入*1に成候ハヽ、まへかと*2より蔵入之むらへ遣し置き候法度書*3をもちい、これハほんご*4たるべき事、 (書き下し文) ひとつ、この村もしわれら蔵入になりそうらわば、前廉より蔵入の村へ遣わし置き候法度書を用い、これは反故たるべき…

天正13年9月1日水野勝成宛豊臣秀吉領知宛行状を読む

(折紙) 於摂州豊嶋 郡内神田七百弐拾 八石令扶助訖 全可領知者也 天正十三 九月一日(秀吉花押) 水野藤十郎とのへ (書き下し文) 摂州豊嶋郡*1のうち神田*2において七百二十八石扶助せしめおわんぬ、まったく領知すべきものなり、 この日、水野勝成のほ…

文禄5年3月1日石田三成九ヶ条村掟を読む その6

一、何事ニよらす百姓めいわき*1の事候ハヽ、めやす*2ニてそうしや*3なしにそせう*4可申候、又所此申とてすちなき*5事を申たき*6まゝニ申候ハヽきうめい*7のうへけつく*8其身曲事たるへき間、かねてよく下ニてせんさく*9せしめ可申上事、 一、定夫の外ニも、…

文禄5年3月1日石田三成九ヶ条村掟を読む その5

一、出作之儀にいたつてハ*1、他郷よりあげ*2候儀も無用たるべし、又他郷のをあげ*3候儀も、たかいにちやうし*4の事、 (書き下し文) ひとつ、出作の儀に至っては、他郷より上げ候儀も無用たるべし、また他郷のを上げ候儀も、互いに停止のこと、 (大意) …

文禄5年3月1日石田三成九ヶ条村掟を読む その4の補足

第1条とこの第4条を比較すると表記ゆれが見られるので、補足しておきたい。 japanesehistorybasedonarchives.hatenablog.com ふたたび引用する。 右用立たざるを引き、この三十軒としてつめ夫二人あいつめ申すべく候、この外かって出すべからす、この村へ他…